基礎体力研究所

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第64回談話会:2024年1月31日17:00~

「スリルのある遊びをめぐる大人の認識:発達心理学の視点」
…倉盛 美穂子 先生(日本女子体育大学・教授)

第64回基礎体力研究所談話会が1月31日に開催されました。
今回の談話会では、子ども運動学科の倉盛美穂子先生にお話しいただきました。

倉盛先生は、「乳幼児期の自己主張行動の発達」「スリルを伴う遊びが子どもの発達に及ぼす影響」について研究されており、今回は発達心理学の視点より、スリルのある遊びをめぐる大人の認識についてご紹介いただきました。

公園の利用の方法等を制限する看板が設置された公園が多くあります。一方、自分の責任で自由に遊ぶことをモットーにした冒険遊び場もあるとの事。保育・教育施設では子どもの安全管理はとても重要ですが、保護者の要望もあり過度な安全対策が取られることもあります。 保護やリスク回避が過ぎると、リスク回避に必要な社会的能力を身につける機会がなくなり、健全な発達が阻害されることもあるといいます。リスクマネジメントの主体は園や学校による他者制御ですが、子どもが自分でリスクマネジメントする機会は、危機回避能力や自己調整能力を身につける機会となること等が紹介されました。

ベネフィットリスク(良い危険性)=成長発達に役立つ良い危険性と、ハザード(悪い危険性)=取り除くべき悪い危険性を理解し、リスクを敬遠するだけではなく、リスクある遊びの価値や保護者が理解するためのエビデンス等を示す必要性もご説明いただきました。 参加者からも実体験も踏まえ、世代によりリスクに対する考え方が急速に変化していることや、大人が「リスクある遊びの価値」を理解することの難しさ、そして、挑戦を通じた自己の心身の能力を高める機会の重要性等について、議論がされました。

倉盛先生ならびに談話会にご参加くださいました皆様に心より感謝申し上げます。

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