基礎体力研究所
第60回談話会:2021年6月28日 16:30〜
「ダンス/サイエンス 価値論/事実学」
…松澤 慶信 先生(日本女子体育大学・教授)
第60回基礎体力研究所談話会が6月28日に行われました。
今回は、ダンス学科教授の松澤慶信先生に話題提供をいただきました。今年度より新しく開講される「現代の舞踊論」について、その背景や、ダンスを科学的に分析することを目的とする「ダンス・サイエンス」について熱くお話をいただきました。
本学ではスポーツ運動学やスポーツ生理学を必修としているので、学生はこれら領域の基礎は学習しています。しかし、それをダンス領域に特化して学ぶ機会がこれまでなかったので、「現代の舞踊論」担当の様々な分野の先生方の講義を通し、ダンスの営為を物象化しデータ化して、事実としてダンスを捉える講義内容としたいことをお話しされました。これによりダンスの価値論-美的判断の対象にした芸術学や、教育目標にそって展開する教育学などに加えて、事実としてダンスを観察する視点を加えて“ダンス学”をさらに究める意図があるようでした。そして、これは体育大にてダンスを教授する本学でこそ可能な取り組みであり、本学生が本講義を日頃のダンシングに活かすことはもちろんのこと、この学問領域への関心をもち、さらにダンス学を発展させてくれることへの期待があるとのことです。
質疑応答では、ダンスを客観的に観察する必要性やそのことによるダンスそのものの発展性を感じているものの、これまで授業で扱われてこなかったことに対する意見や、ダンスの芸術要素を評価する上での指標や基準について、熱く議論が行われました。
当日は、オンライン・対面の両形式にて様々な分野の先生方、学生が多く参加してくださり、ダンスサイエンスに対する活発な議論が行われました。話題提供をいただいた松澤先生、ならびに談話会にご参加くださいました皆様に心より感謝申し上げます。