第19回舞踊学専攻卒業公演が開催されました
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初めてとなるオンラインでの配信
1月19日(火)、舞踊学専攻の学生による卒業公演が、府中の森芸術劇場「どりーむホール」で開催されました。4年生にとっては、これが大学時代最後のステージ。4年間の学生生活で培ってきた修練の成果を発表し、新たなスタートを迎えます。今年は新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言を受け、急遽オンライン配信に切り替えての上演となりました。
まずは、深代千之学長が舞台に登壇。「現在新型コロナウイルスが猛威を奮っていますが、この4年間の成果を発揮させてあげたいという想いで公演を実施することになりました。今回は舞踊学専攻からダンス学科になり初めての卒業公演です。4年生がこの日のために練習する姿を見てきました。その集大成として、存分にパフォーマンスを発揮してくれると思います」と、学生たちにエールを贈りました。
続いて、ダンス学科長の八木ありさ教授が登壇。「新型コロナウイルス感染症の拡大で、公演がいつ中止になるかもしれない。そんな先の見えない日々のなか、目の前にあることを一つ一つ確かに完成させていくこと、それが山を登り切る唯一の道だと信じてみんな今日のために頑張ってきました。学生たちの学びをいつも見守って下さっている全ての方々に感謝を伝えたいと思います」と想いを述べました。
有志4年生作品からスタート
第一部では、舞踊学専攻の4年生による有志作品を上演。研究室の垣根を越えた仲間と作品を創作してオーディションに挑み、今年は3作品が選ばれています。
幕開けは『pia mater』からスタート。印象的なセットを用いた演出で、冒頭から独自の作品世界へ誘います。劇的な音楽と共に身体は共鳴を繰り返し、いくつもの美しいシーンをステージに刻み込みました。
『pia mater』
続く『Know each other ~今この場所で~』はデュオ作品。ステージを照らすスポットライトと、そこに浮かびあがる二つの影。磨き抜かれた肉体が、闇の中でくっきりとしたラインを描きます。エンディングはぶれない視線で前を見据え、今この時代を生きる彼女たちのメッセージを力強く訴えました。
『Know each other ~今この場所で~』
第一部のラスト『Hit the Road』は、ダンサブルなヒップホップ作。マニッシュなスタイルとキレの良さが際立ち、計算し尽くされたフォーメーションで、躍動感溢れる作品に仕上げています。
『Hit the Road』
各研究室がオリジナル作を発表
第二部では、研究室ごとに作品を披露。今年は計6作品が上演されています。
坂本研究室はモダンダンス作品『朱鷺は天空へ・・・』を発表。真紅の舞台に映る壮大なシルエットで大空への憧憬を描写し、希望に向かって羽ばたく朱鷺の姿を流れるような群舞でダイナミックに体現してみせました。
松山研究室の『御剣』は、剣をモチーフにした意欲作。剣を手にした凛々しい和装の舞いと、現代風のスタイルとの対峙で時空の変化を伝え、独創の世界観を表現しています。
坂本研究室『朱鷺は天空へ・・・』
松山研究室『御剣』
渡辺研究室の『月相 -Clair de lune-』は、クラシックバレエをベースにした創作作品。星屑が降り注ぐステージでピアノ曲にのせ切なくも優雅な舞いを繰り広げ、後半曲調が変わるとポワントワークも軽やかに洗練の躍動美を披露しました。
高野研究室『Traces of Flow』は、"移ろいゆく忘我の景迹"をテーマにした群舞作。重心を低く、地に足をつけ、一人一人思い思いにその軌跡を見つめる。メッセージ性の高い作品で、4年間積み重ねてきた日々への想いを舞台に込めています。
渡辺研究室『月相 -Clair de lune-』
高野研究室『Traces of Flow』
石川研究室の『focus』でテーマにしたのは、"本質を見ず周囲に合わせてしまう人間の意志の弱さ"。モノトーンの衣裳とぴたりと調和した動きの妙で、どこかスタイリッシュな印象に。畳み掛けるような群舞の連続で魅了し、ラストまで吸引力をもってステージを駆け抜けました。
第二部のラストは岩淵研究室の『セタンタ』を上演。ひたひたと大地に吸い付くような踊りと柔軟な身体性で目を奪い、無音の舞台で足を踏み鳴らす力強い幕切れで大きな余韻を残しました。
石川研究室『focus』
岩淵研究室『セタンタ』『Traces of Flow』
4年生全員でエンディング
エンディングは出演者全員が舞台に登場。晴れやかな笑顔で感謝の気持ちを伝え、第19回卒業公演は無事幕を閉じました。