未来への言葉
Pick up
元新体操日本代表の田中琴乃さんに、オリンピックや学生生活について、
そして美容コーチとして活躍する今の思いを聞きました。
「ロンドン五輪では、胸を張れる演技ができました
選手にとってメイクはおまもり」
北京五輪での後悔をバネに
私は北京オリンピックとロンドンオリンピックに出場しました。北京のときは高校生だったのですが、ケガや失敗で苦しい演技になってしまいました。出られない人も多いオリンピックでその結果になったのがとても悔しく、北京後の4年間は「もう一度出られるのであれば後悔を払拭したい」という思いを抱いて過ごしました。それをバネに大学3年生で出場したロンドンオリンピックでは、本番までに満足する練習プロセスを積め、お世話になった方や応援してくださった方に胸を張れる演技ができました。
ニチジョは刺激ある素晴らしい環境
新体操日本代表「フェアリー ジャパン POLA」の団体選手として、1年の半分くらいはロシアでの合宿に参加していたため、大学に通える日数は限られていました。そんな状況でも、先生方は練習が休みの日を使って1限から6限までマンツーマンで授業をしてくれたり、パソコンで課題のやりとりをしてくださったりと、競技に専念できる環境を整えてくれました。大学の手厚いサポートがなければ、オリンピックの舞台にも立てなかったかもしれません。
ニチジョは明るい人が多いというのが印象的でした。同級生には自分の目標を持ってスキルを磨いている人がたくさんいるので、学内を歩いているときに陸上部の人が走っている姿を見かけるだけでも、刺激になりましたね。また、舞踊学専攻があるのも素敵なところだと思います。新体操は表現スポーツでもあるので、舞踊学専攻の友達が練習風景を見たことは、自分の表現力をもっと磨こうとするきっかけになりました。
美容コーチという存在との出会い
今は、ポーラの宣伝部でPRの仕事を担当するとともに「フェアリー ジャパン POLA」専属の美容コーチもしています。選手へのスキンケアアドバイスやメイク方法の指導、研究員との専用メイク品の開発などが美容コーチの役割です。私が美容に興味を持ったのは、選手時代に初代の美容コーチから、洗顔のノウハウやメイクのやり方を一から教えてもらったことがきっかけでした。団体競技ではメンバーとのコミュニケーションが大切なため、不安な気持ちがあっても試合の前に一人で集中する時間はなかなか取れません。そんなときに、メイクを直して最後に真っ赤なリップを塗ると気持ちが落ち着いて、自信が湧いてきたのです。メイクはおまじないのような存在でした。
新体操に詳しく、選手の気持ちがわかるということから、入社後に美容コーチ見習いを経て、美容コーチに就任しました。選手が本番で不安を乗り越えるきっかけを提供できるのが美容コーチの素晴らしさだと思うので、その役割を引き受けられることに、感謝しながら取り組んでいます。
必勝祈願のご祈祷をしてもらったリップを持っていった選手に、「試合の直前に塗ったことで力になった」と言われたときには、とても嬉しかったです。試合の直前に直接メイクを施せることは少ないのですが、私たちが考案したメイクで舞台に立ってくれているのを見ると、とても嬉しい気持ちになります。
田中 琴乃
日本女子体育大学スポーツ科学専攻2014年3月卒業。2006年に当時最年少の15歳で日本代表入りを果たし、2008年の北京オリンピック、2012年のロンドンオリンピックに出場。ロンドンオリンピックでは主将を務めた。2013年に現役を引退し、2014年にポーラ入社。同年7月から美容コーチ見習いを経て、美容コーチに就任。
フェアリージャパンの一員として
在学中から世界を見据えた日々を過ごすニチジョ生
熨斗谷 さくらスポーツ科学専攻2年
2010年より、新体操日本代表「フェアリー ジャパン POLA」団体選手。2016年リオデジャネイロオリンピック日本代表8位入賞。
Message
オリンピックをずっと目標にしていたので、リオの舞台に立てたことは人生で一番大きな出来事でした。その反面、結果を出せなかった悔しさが大きかったです。今は、もう一度オリンピックの舞台に立ち、次はメダルを取りたいという思いを原動力に、東京オリンピックでのメダル獲得を目指して頑張っています。練習が続く日々ですが、いつも明るく迎え入れてくれる大学は、自分にとって楽しく、心の休まる場所になっています。
竹中 七海スポーツ科学専攻1年
2015年より新体操日本代表「フェアリー ジャパン POLA」団体選手。2016年リオデジャネイロオリンピックの団体メンバーに補欠として選出。
Message
リオデジャネイロオリンピックに補欠として行き、今まで映像で見ていた試合を生で見ることができました。映像では伝わらない選手の表情などがわかり、新体操は表現のスポーツなのだと実感し、次の東京オリンピックは絶対に出たいという思いを強くしています。今年は初めてチームメンバーに入りました。練習はよりハードになり体力的にも大変な部分はありますが、演技を見てもらえる楽しさを感じつつ、必死で追いついています。