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活動レポート 2011年FIFA女子ワールドカップ優勝メンバー 岩清水梓選手(2009年卒)が現役引退

2026.06.10

本学卒業生岩清水梓選手が現役引退

2026年5月16日(土)、味の素フィールド西が丘で行われた日本女子プロサッカー 、2025/26 SOMPO WEリーグ第22節「日テレ・東京ヴェルディベレーザ vsアルビレックス新潟レディース」。今シーズン限りでの引退を発表した岩清水梓選手の国内最終戦となり、試合後には引退セレモニーが行われました。岩清水選手は、本学体育学部運動科学科スポーツ科学専攻(現スポーツ科学科)の卒業生でもあります。当日は、サッカー部の大槻茂久監督(スポーツ科学科准教授)とサッカー部の部員が応援に駆け付け、試合後には花束贈呈を行いました。

2011年のFIFA女子ワールドカップでは
中心選手として世界一に貢献

岩清水選手は1986年4月に岩手県で生まれ、神奈川県へ引越しした小学校1年生のときに大沼SSS(サッカースポーツ少年団)で"サッカー人生"がスタートしました。2000年にはNTVベレーザ(当時)の育成組織であるNTVメニーナ(当時)に所属し、2003年には日テレ・ベレーザ(当時)で、国内リーグデビューを果たしました。

2005年には本学に入学し、在学中は2005年のユニバーシアード(現ワールドユニバーシティゲームズ)トルコ大会にユニバーシアード日本女子代表として出場。2006年にはロシアとの親善試合で、日本女子代表(なでしこジャパン)としてデビューし、同年のアジア競技大会や、2007年のFIFA女子ワールドカップ中国大会、2008年の北京オリンピックでも日本代表に名を連ねました。

2011年には日本代表の中心選手としてFIFA女子ワールドカップドイツ大会で優勝。東日本大震災に見舞われた日本国内に大きな感動を与えると、チームとして国民栄誉賞や紫綬褒章も受賞しました。2012年にはロンドンオリンピックで銀メダル獲得に貢献し、日本人選手で唯一、イギリスのBBCが選ぶベストイレブンに選出されました。2014年にはAFC女子アジアカップベトナム大会で優勝し、2015年のFIFA女子ワールドカップカナダ大会では準優勝に輝くなど、"なでしこジャパン"の主力メンバーとして122試合に出場し、11得点を記録しました。

国内リーグでは数々のタイトルを獲得し、
13年連続でベストイレブンに

国内では、ベレーザ一筋26年。Lリーグ・なでしこリーグ・WEリーグでの優勝が11回を数え、リーグカップでも優勝が6回。皇后杯全日本女子サッカー選手権大会でも9回の優勝を重ねてきました。2006年から2018年まで歴代最多となる13年連続でベストイレブンに輝き、守備の要のセンターバックとして活躍しました。2019年には入籍が発表され、2020年には第一子となる長男の聖悟くんを出産。"育休"が明けた復帰戦後の練習でケガに見舞われ、離脱を余儀なくされたものの、2023年3月には聖悟くんを抱っこしてピッチに登場し、"ママさんWEリーガー"としても注目を集めました。しかし、2024年には左膝前十字靭帯を損傷。復帰後は再びタイトル獲得に貢献しましたが、2026年4月27日に、2025/26シーズンをもって現役を退くことが発表され、5月16日の国内最終戦を迎えました。

記念すべきWEリーグ初ゴールが
国内最終戦での決勝弾に

試合は13時キックオフ。岩清水選手はキャプテンマークをつけ、センターバックとして先発出場しました。鋭いスライディングに後方からの正確なロングパス、声を張って仲間を鼓舞し、変わらない熱い姿を見せてくれました。しかし、39分には、自陣のゴール前で新潟の選手と1対1となるピンチを迎えます。"緑の大黒柱"として果敢に競り合い、岩清水選手にイエローカードが出されましたが、それは守備の要としての責任感溢れるプレー。2011年のFIFA女子ワールドカップ決勝戦でピンチを救った"人生唯一のレッドカード一発退場"を思い起こさせるシーンでした。また、後半に訪れたコーナーキックの場面では、ゴール前から守備陣の裏に走り出すと、ロングボールにピンポイントで合わせてヘディングシュート。惜しくも枠を外してしまいましたが、高さのあるジャンプと強烈なシュートで観客を沸かせます。それに触発されるように、47分にベレーザの眞城美春選手が先制ゴール。試合後のインタビューでは「イワシさん(岩清水選手のニックネーム)の国内での最後の試合ということで気持ちも入りました。チームとしても絶対に勝ちたいと思って臨みました」と試合を振り返りました。

その後、新潟も粘りを見せ、60分に同点とされますが、最大の見せ場となったのが73分。相手ゴール前で眞城選手が倒されてPKを獲得すると、岩清水選手がキッカーを任されました。落ち着いた助走から豪快なシュートがゴール左に炸裂。記念すべきWEリーグ初ゴールを国内最終戦で決めてしまう千両役者ぶりを見せてくれました。
結果的にこれが決勝弾となり、81分に交代を告げられると、メインスタンド前に花道がつくられ、スタジアム全体に拍手と岩清水コールが響くなか、両チームの選手・スタッフとハグやハイタッチを交わし、ピッチを後にしました。

試合後は監督やゲストが
数々のエピソードを披露

試合終了後は、ホーム最終戦セレモニー、AFC女子チャンピオンズリーグ2025/26壮行セレモニーが行われました。プレゼンターとして登場したのは、かつて日本テレビでサッカー中継のプロデューサーを務め、古くから岩清水選手を知る日本テレビ放送網株式会社・取締役執行役員の岡部智洋氏です。「岩清水選手が16歳でリーグ戦にデビューして、センス溢れるプレーに驚きました。その後、岩清水選手は2009年に日本テレビのグループ会社に入社。2年後の2011年には、FIFA女子ワールドカップ決勝での勇気ある体を張ったプレーにも感動しました。そして今日、やっぱり違いますね、千両役者ですね。ちょっと涙ぐみながらPKを見ていて、今もウルウルします。ユニフォームを脱いでも我々に感動を与えていただければと思います」と、思い出話とともに労いの言葉が掛けられました。また、板橋区の坂本健区長、北区の山田加奈子区長からも、岩清水選手にメッセージが贈られました。

チームの垣根を越えて
岩清水選手を労った引退セレモニー

この日のラストを飾ったのが「引退セレモニー」です。チームメートとスタッフがおそろいの記念Tシャツに身を包むと、スタンドではいたるところで岩清水選手の背番号「33」が掲げられました。これまでの軌跡をまとめた映像が大型ビジョンに映し出される中、新潟のサポーターもスタンドに残り、「岩清水選手26年間お疲れ様でした」の横断幕を掲げました。岩清水選手がいかに女子サッカー界に貢献し、チーム内外から愛されてきたかがわかる光景でした。

セレモニーでは、最初に新潟の川村選手、川澄選手、上尾野辺選手かつてベレーザに所属していた新潟の有吉佐織選手から花束の贈呈。ベレーザの宇津木瑠美選手もその輪に加わり、なでしこジャパンで活躍した選手たちが集結しました。
家族からの花束贈呈では「ママへ。サッカーがんばったね。サッカーやってるママもカッコよくてだいすきだったよ。これからもおにわでサッカーしようね。」と、息子さんから手紙が読み上げられると、感極まったように息子を抱きしめる姿が印象的でした。

締めくくりは岩清水選手からの挨拶です。
「たくさんの方に足を運んでいただいて本当に今日はありがとうございました。引退を決断したのは、自分が理想とするプレーや日々の練習が困難になり、トップの選手として表現することが難しくなってきたからです。これから先もピッチに立ちたい気持ちもありますし、サッカーを嫌いになったわけではないので、ちょっと悔しい気持ちもありますが、自分の中では毎日の練習がすべて。それを表現することが難しくなったので決断しました。 思い出としては、本当にこのピッチでたくさんサッカーさせてもらって感謝しています。大沼サッカースポーツ少年団のときは、男の子と一緒にみんなでサッカーするのがすごく楽しかった。今日も来てくれて本当にありがとう。自分がこんなにサッカーをやるとは思っていなかったけど、最後まで応援してくれてありがとうございました。ここまでベレーザに支えてもらって、ベレーザ一筋で引退できることを誇りに思いますし、今後は学校訪問で板橋区や北区の小学校は全部まわろうと思っています。みなさんに会いに行きたいと思いますので、引き続きよろしくお願いします。
最後になりますが、美春(眞城選手)、最後にPK蹴らせてくれてありがとう。WEリーグでゴールを決めていなくて、それだけが心残りかなと思っていました。あのコーナーキックでも決められなかったのが自分の実力かなと思ったのですが、美春がPKを取ってくれて、最後にゴールできて本当に満足です。サポーターの皆さんも本当に長い間背中を押し続けてくれてありがとうございました。どんなときも支えてくれる皆さんに笑顔を届けることが自分たちの使命でした。これから先もベレーザをよろしくお願いします。」

挨拶が終わると、岩清水コールの中、ベレーザの選手・スタッフ全員から1輪ずつ花が送られ、1人ずつ言葉を交わした後に場内を1周。新潟サポーターが掲げた横断幕の前で、聖悟くんと一緒に記念撮影する場面もありました。そして、ベレーザのサポーターが陣取るスタンドの前では、サポーターも一緒になって記念撮影。その場で胴上げもされ、三度宙を舞いました。

女子サッカー界のレジェンドは
部員たちの憧れでありニチジョの誇り

セレモニー後には、本学サッカー部の大槻茂久監督と部員からも花束を贈呈。岩清水選手に憧れてサッカーを続けてきた部員も多く、花束に添えられた色紙には、それぞれの熱いメッセージが記されていました。記念撮影では「やった!隣」と喜ぶ部員もいたほか、私物の応援フラッグを持参した部員は、集合写真の撮影後に思いがけず岩清水選手と2ショットで撮影。周囲からは「よかったね!」と声をかけられていました。

【学生のコメント】

「あまり普段は試合観戦をしないのですが、見て学べることがたくさんありました。今日は岩清水選手の姿に感動しましたし、刺激ももらえて、自分も頑張ろうと思いました」
「ワールドカップのときから『カッコいいな』と思っていた岩清水選手の国内最終戦を見届けられて、いい経験になりました。長年続けてきた岩清水選手に勇気をもらえたので、私も頑張ります」
「ずっと前から岩清水選手が好きで、これまでも試合を観に来ることがありました。今日は最後に一緒に写真を撮らせてもらいたいと思っていたのですが、それが実現して最高の気分です」

【大槻監督のコメント】

「岩清水選手は本学の卒業生というだけでなく、日本の女子サッカー界のレジェンドですし、部員たちにとっては憧れの存在です。2011年のFIFA女子ワールドカップでは、日本が苦しい中、大きな感動を与えてくれました。まだまだプレーヤーとしてできるとも思いますが、これからは別の方法でサッカー界の力になってくれると思います。本学にもぜひ遊びに来ていただきたい。学生たちも岩清水選手と触れ合うことができれば大きなプラスになると思います。岩清水選手、お疲れさまでした!」

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