学部・大学院
インクルーシブ教育の担い手を育てたい
雨宮 由紀枝(特別支援教育、社会福祉学)
研究の中心的テーマは、「誰一人取り残さない」インクルーシブな環境づくりです。インクルーシブ教育の担い手を育てたいという願いもずっと変わらず、研究と教育と実践の境目は自分でもよくわかりません。
本学に赴任して間もない2005年のこと。近隣の福祉施設で行われているスポーツセラピー(SPT)の指導を任されました。SPTは、障害のある未就学児を対象に発達支援を行う公的なサービスです。最初は研究室活動として、3年目からは授業の一環として取り組んできました。いつも子どもたちから教えられることばかりです。その活動は、毎週土曜の大学体育館での運動教室、中学校特別支援学級での自立活動(体育)に広がり、あれこれ全部通算すると500回を超えた?!我ながらびっくりです。運動プログラムは学生の皆さんが主体的に考えてきました。コロナ禍で中断していますが、今日までアクティブラーニングを無事実現できたのも、ご家族や地域の関係機関の皆様、教職員の強力なサポートがあったからこそと、改めて感謝の気持ちでいっぱいです。
発達性協調運動障害(DCD)への支援も大切なテーマです。元エンジニアだったこともあり、理工系の専門家の協力を得て、画像処理と人工知能(AI)を利用した運動支援システムの作成に試行錯誤してきました。スマホやタブレットで苦手な動きを撮ると、「こうしたらうまくいくよ」とAIが教えてくれる。本人への支援ばかりでなく、保護者や教員・保育者へ、そして適切な環境調整についてもアドバイスできたら……そんなことを思考しています。
特別支援学校との交流授業。多様な子どもたちが一緒に安全に楽しく遊べる環境設定、個別の支援や合理的配慮のあり方を検討します。