学部・大学院
ハンドボールのデータ分析
吉兼 練(スポーツ方法学(ハンドボール))
私の専門分野は、スポーツ方法学(ハンドボール)です。主な研究テーマは、ユース・ジュニア代表を対象に、アンダーカテゴリーの国際競技力の現状と課題を多角的に明らかにすることです。
球技の競技力を評価する方法に、記述的ゲームパフォーマンス分析があります。この分析は、研究目的に応じて項目を定め、特定の表記方法を使ってチームやプレーヤーのパフォーマンスを記録し、その結果を特定の観点から数量的に処理する方法で、単にゲーム分析と呼ばれることがあります。いくつかの限界が指摘されておりますが、実際に役立つ具体的な数値を産み出すことができる極めて有用な方法とみなされています。
数値をゲームに生かすことに関して、2020年、ハンドボール界に大きな動きがありました。それは、これまで禁止されていた交代地域(ベンチ)での技術的機器の使用が解禁されたことです。このことは、ゲーム分析を試合中にベンチで行うことを可能にしました。これまでの数値は、次戦へ向けて課題と修正点を明らかにするために生かされていましたが、今回のルール改正により、リアルタイムで生かされるようになりました。
これから訪れるであろう「データハンドボール」の時代に備え、数値を判断材料の1つとして、根拠のあるコーチングができるように研鑽してまいります。
試合中にベンチでパソコンを用いて分析している様子