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泳げない者を泳げるように

北川 幸夫(水泳)

私の記憶に残っている最初の「水」との出会いは、3、4歳ころ家族で行った温泉旅行だったと思います。大浴場に浸かっている時、ふと壁に寄りかかろうとしたら予想以上に壁との距離があり、そのまま後ろ向きにひっくり返ってしまいました。それがきっかけで水に対する恐怖心が頭から離れず、翌年の海水浴では水に入りたくなかったので水辺から100mほど離れた砂浜で一人砂遊びをしていました。こんな私が現在体育大学で水泳を教えているのですから人生とは分からないものです。

本学着任後は水泳部の指導もあった関係で競技力向上に繋がるような研究を主として行ってきました。その後、金子明友先生が本学に来られてスポーツ運動学と出会い、「泳げない者を泳げるように」することに興味を持ちました。それまで泳げない学生に対しては体育大学ということもあり、学生の自得に任せて細かく指導することは少なかったと思います。しかし、いざ泳げない学生を細かく観察していくと、泳げない原因として実に様々な要因があることが分かりました。その様々な要因からその学生に見合った原因を絞り込み、指導していくことになります。しかし、場合によってはその原因をうまく絞れない時もあります。学生とのやり取りを交えながらようやく原因を突き止め、泳げるようになった時は学生自身は勿論ですが私自身も大きな喜びを感じます。今後も「かなづち」を一人でも減らせるよう初心者指導を中心に実践的な研究を続けていきたいと思います。

教員採用試験受験者に対する水泳実技の講習

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