資格・就職
- 教員系
- 高等学校教諭
牛坂 安未(2017年度・スポーツ科学専攻卒)
■東京都私立 大東学園高等学校勤務
生徒一人ひとりの気持ちに寄り添い、感情を分かち合える教員でありたい
<2019.05収録>
進路を決めた先生との出会い
教員を目指した原点は小学生の時、私の気持ちをわかろうとしてくれる先生の存在がうれしくて、心の底から安心できたことです。数学か体育の先生になりたいと思っていましたが、体育の先生のほうが生徒との距離が一番近いと思ってニチジョを選びました。
入学後、私の周囲には教員志望の学生が多く、熱意溢れる仲間と4年間を過ごすことができました。教育について意見をぶつけ合うこともあれば、悩みや不安を打ち明けることもありました。「教職サークル」での学年を越えたつながりも大きな財産になっています。
教職課程やゼミでの貴重な経験
授業では知識やテクニックを教えてもらいますが、いつも気軽に先生に質問できる「距離の近さ」を感じました。先生から学生へ一方行に講義を進めるのではなく、常に学生の理解度を気にかけてくれました。小学生の時に教員を目指すきっかけとなった「私をわかろうとしてくれる」という感覚を、ニチジョで再び味わうことができたんです。
ゼミでお世話になったのは「教育心理学」の中道直子先生。卒業論文の指導のほか、教員採用試験に向けてもたくさんのアドバイスをもらいました。公立高校への就職を目指すものの不合格が続く中で、現在勤務している私立校を提案してくれたのも中道先生でした。この学校に内定したことを伝えた際には、涙を浮かべて喜んでくれました。今でも感謝の気持ちでいっぱいです。
生徒に思いを伝え共感を呼び起こす
「保健体育」と女子の「体育」を担当しています。大切にしていることは、生徒への共感です。体育の授業では、生徒が体育館やグラウンドを動き回ります。その中で、意図せず生徒同士が面と向かうこともあり、人間関係に悩みを抱える生徒は敬遠しがちな授業です。だからこそ生徒の表情などを注意深く見て、異変に気づけばすぐに「どうしたの?」と声をかけます。生徒によっては、それだけで涙を流してしまうこともありました。「わかってあげたい」という私の思いが生徒に伝わったからかもしれませんし、この思いを伝えたいと本気で思っています。
ちなみに、生徒からは「怒らない先生」と言われています。私自身、高校時代は怒られてもイヤなものはイヤでした。高校生が先生のいうことを聞きたくない気持ちもわかるつもりです。だからこそ私は、指示に対して生徒が「やらない理由」を責めるのではなく、生徒に「やる理由」を気づかせる工夫を常に考えています。
身近な話題で生徒を惹きつける
「保健体育」の授業構成のベースになっているのが、教職課程で学んだ「保健体育科教育法」です。身近な出来事を教材として活用し、生徒の興味を継続させるような問いかけを設けるテクニックを学びました。
授業の冒頭で生徒の興味を引く話題を紹介し、そこからグラフなど視覚で理解できるデータを見せたり、生徒に発言させたりしながら、アクティブに授業を進めていきます。教員採用試験での模擬授業は、この授業展開を高く評価していただけたことで、内定につながったのだと思います。
仲間と切磋琢磨し合い夢を実現してほしい
目標は、生徒と今まで以上に深く強固な信頼関係を築くこと。私自身が教わる立場で味わった喜びや安心感を、生徒にも味わってもらいたいです。
後輩に伝えたいのは、社会に出てあらためて感じるニチジョの素晴らしさですね。身近で信頼できる先生方が、実際の教育現場で生かせるノウハウを熱く本気で教えてくれることです。そして、教員という同じ夢を持つ仲間の存在。ぜひ、助け合い、刺激し合いながら夢を実現させてほしいですね。