資格・就職

- 教員系
- 高等学校教諭
吉田 有花((2014年舞踊学専攻[現ダンス学科]卒業))
■神奈川県立大和高等学校
がむしゃらな時期があったからこそ 育児も教員としての仕事も両方楽しむことができる
<2025.01収録>
踊るだけでなく創作する楽しさや達成感があったニチジョ時代
ニチジョを卒業して10年が経とうとしています。今振り返ってみてもどの実技授業も印象に残っていて、もう一度入学できるなら全授業を網羅したいと思うほどです。理論に基づいた基礎がある上で、先生方ごとに異なるメソッドを学べるため、とても楽しく学べたのです。モダンダンス部の練習に多くの時間を割いていた私に、ゼミの仲間が練習をフォローしてくれたこと、集中講義で教員採用試験に必要な柔道の授業を履修できたことも有難かったです。4年次のゼミで卒業公演に向けた作品作りは、自分たちの舞踊をどう観客に届けるか、先生に助言をいただきながらも、自分たちなりに探究することができた。踊るだけではなく創作する楽しさや達成感を感じた4年間でした。

生徒たちの気持ちを引き出し、創作につなげる
大和高校の体育授業では60名ほど選択授業でダンスを選ぶ生徒がいます。現代的なリズムのダンスから創作ダンスへと進むと、途端に生徒たちが「テーマって何!?」と考え始めてしまうことも。そういった時は、ユニゾンで自分の前にいる人をまねさせてみるといったように少しずつ創作につながる要素を教えて、アシストしています。限られた授業数のなかで、生徒たちが自分で考え、かつ作品らしく仕上がるようにするためにはどうすればいいか。自分でも新しいダンスの展開を考えて、試みながら指導する余裕が生まれてきたように思います。
顧問をつとめている創作舞踊部は、創部15年以上の歴史ある部ですが、入部している全員が同じように創作に対して意欲的というわけではありません。でも一見すると大人しく自信がなさそうな生徒も、話してみるとやりたいことをちゃんと持っているのです。創作には自分と向き合うことも必要です。顧問として生徒が自分と向き合うための後押しをすることも大事な指導です。2024年は高校総体ダンスコンクール優勝、第36回全日本高校・大学ダンスフェスティバルで神戸市長賞を受賞するなど実績を重ねて、部活動を良い方向に導けているのではないかと思います。

がむしゃらな時期を乗り越え、育児も教員としての仕事も両方楽しむ
教員となった当初は体力もあるので、時間があるだけ仕事に使っていました。頼まれた仕事も抱え込み、まさにがむしゃらに働いていました。しかし最近は、自分のできること(やるべきこと、やりたいこと)のためにどのようにタスク管理をするかを心がけています。そうすることによってより一層、組織全体で協力しようと思えるようになりましたし、目の前の生徒と向き合うことにもつながっていると気づいたのです。がむしゃらな時期があったからこそ、そこで学べたからこそ、今私は楽しく仕事ができているのかもしれません。
現在は第2子出産のための産休・育休もあったことで、思うように仕事に向き合えない時もあります。それでもあらゆる手段や人との繋がりを活かしながら、育児と教員としての仕事、両方を楽しむつもりです。職場には高校、大学当時の戦友だった人をはじめ沢山の仲間がいます。教員同士でもっと新しいことができないかと相談し合える、同じ熱量の仲間とともに働ける環境は幸せです。だからこそ私は生徒たちがたくさんチャレンジできる環境をもっと作っていきたい。

経験とともに自分のやりたいことへの選択肢はどんどん増える
それが教員のいいところ
今教員を目指す人、先生になる人が少ないと言われていますが、敬遠される理由には働き方や生徒への責任などハードルの高さがあるのかもしれません。3月に卒業して翌月には入学式で担任として呼名をさせてもらいましたが、もちろん私もすぐに教員らしくなれたわけではないのです。たくさん失敗し、少しずつ教えられることが増え、いつの間にか教師として認めてもらえることが増えていくのではないでしょうか。
働き方も、若いときは選べなかっことも、経験とともに自分のやりたいことのために選択肢を得られるのが教員のいい所です。決して"私なんかが教師なんて..."と思わずに足を踏み込んでください。やりたいこと全部に挑戦していって、そんなふうにがむしゃらになることが将来の自分を豊かにしてくれると思います。
