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畠山 淳子(1999年度・体育学科卒)
■住友生命すみれい営業部
営業には、フツフツと湧いてくるものがある。
畠山淳子さんは、住友生命すみれい営業部で働いています。新卒で入社して今年で9年目ですが、結婚して子どもが生まれたので育児休業をとり、2年間ほど会社をお休みしていました。今年の4月に職場に復帰して、今は、新卒学生の採用の仕事をメインにやっています。
<2008.08収録>
会社に入ったきっかけは?
ニチジョに入った頃は、スポーツトレーナーとかスポーツクラブなどの仕事を考えていました。その後、保健学研究室に入って環境衛生に関することなどを勉強するうちに、そういったことに携わる企業に行けたらいいなと思い始め、環境管理や研究所のような会社を何社か受けたのですが、就職氷河期だったこともあり、採用には至りませんでした。他に、営業をやりたいなという気持ちもあったので、住宅関係の営業とかを受けたりしていました。
ある時合同説明会に行って、今の会社のブースの前で声をかけられました。営業に興味はあったのですが、実は自分の母親も生命保険の営業をやっていたので、それまでは敢えて生命保険業界は避けていました。でも、説明会のお話を聞いているうちに、なにかピンとくるものがあって、自分の肌に合っているかもと思い始めました。その後、会社のフロア見学や社員の方たちとの懇談会などに参加して、女子大のような雰囲気を感じて、いいなって思いました。
社員は女性が多いのですか?
総合営業職は一般職と同じように100%女性です。ただ、すみれい営業部には総合職と一般職の人達もいて、一緒に関わって仕事をしています。住友生命には一般職、総合職、総合営業職があり、総合職は男性が多いですね。全国転勤を伴うので、結婚している女性にはむずかしい面もあるせいでしょうか。その点、総合営業職は転勤はありません。ちなみに総合営業職の"総合"っていうのは営業経験を生かして、4年目以降様々なコースを選べて総合的なお仕事ができるよっていう意味です。
入社してからどんな仕事をしたのですか?
入社3年間は育成期間といって、営業をやります。上司の指導を密に受けながら、営業のスキルを身に付けていきます。営業先は、官公庁や大手企業を1社か2社担当して、従業員の方にアプローチします。プラスアルファで、中小企業なども開拓していって、営業先を増やして、自分のスキルアップをしていきます。基本的な営業スタイルとしては、最初にご挨拶してから、お客様からお聞きした情報をもとに保険に関する簡単なお話をして、実際にプランをご提案していきます。
実際の仕事はどうでした?
営業は面白いというか、けっこう得意でした。やっぱり、お客様にご契約していただいた時っていうのはすごく嬉しいです。営業成績は悪くはなかったと思います。キャンペーン月なんかになると、営業グループごとで対抗戦をやったりしていました。そんな時に自分が頂けた契約でグループの順位があがったり、入賞できた時は嬉しくて、なんかこうフツフツと湧いてくるものがありますね。それも営業の醍醐味です。
そんなふうに営業育成期間の3年間っていうのは、大変とか辛いっていうよりも、みんなでワイワイ楽しくやってきたっていう感じですね。入社前にイメージしていたことと比べてギャップもあまりなく、営業先でたまにイヤなことがあったりしても、別の営業先でいいことを見つけて引きずらないようにしていました。
なんかスポーツみたいですね。
営業って個人で動くイメージがありますが、うちの営業部はセクションや課というチームで動くようになっています。営業先に行く時は独りなんですけど(上司が同行指導する日もあります)、会社に戻ればチームプレー、みんなで一致団結して盛り上げていくっていう感じです。誰かが落ち込んでいる時には誰かが励ましたりとか、確かにスポーツに対するモチベーションの持ち方と似ていますね。
営業から帰ってきた時にアットホームな雰囲気があったり、待っていてくれる上司や仲間がいることがこの職場のいいところだと思います。上司と部下との関係がとても密と言うか、仕事の話はもちろん、プライベートな相談をすることもあったりと、ホントに家族に近いような存在になっていくんですよね。先輩と後輩もとても仲が良く、そして何より同期との絆が強くて、愚痴も含めて何でも話せました。やっぱり職場の仲間と過ごす時間というのは、私にとってすごく大切だったと思いますね。
結婚はいつされたのですか?
2003年に結婚しました。入社して4年目の時です。でも仕事を辞めようとは全く思いませんでした。それは、結婚や出産をしても仕事を続けている先輩が身近にたくさんいて、私自身、自然とそういう考え方が身に付いていたというのもありましたし、元々自分が専業主婦になるなんて考えたこともなかったですしね。
結婚した時は既に指導職に進み、トレーナーとして新人の育成をする仕事をしていました。私は4年目以降のコース選択の際、営業職と指導職のどちらのコースに進むかとても迷いました。営業も3年目ともなると、自分の営業スタイルもできて、仕事が面白くなってきました。ご契約が多く頂ければお給料にプラスされる部分も多くなり、お給料も上がっていきます。指導職は自分が3年間やってきた営業のスキルを元に、トレーナー(指導職1、2年目はトレーナーっていいます)として新人メンバーを2~3人受け持ち、ほぼ1年かけて育てていきます。大学時代、教職を取得していたこともあり、心のどこかで『人を育ててみたい』っていう気持ちもありました。私はすごく悩みました。結局、指導職になっても、空いた時間に営業できたり、営業職へ異動が可能なこともあり、指導職の道へ進むことに決めました。
指導職はどうでした?
これは思った以上に難しかったです。自分で営業しているほうが、自分のやりたいようにきるのでずっと簡単でした。今度は、自分のメンバーがお客様と話すのを見守るという立場です。話に詰まってしまった時などは助け舟を出すんですけど、タイミングが難しい。あんまり入り込みすぎて、メンバーとお客様の関係が崩れてしまってもいけないので、基本的にはメンバーとお客様という関係を大事にします。
メンバーの性格や考え方も違うように営業のやり方も一人一人違うので、その子に合った指導法を考えなくてはなりません。自分がやってきたことを教えて、全て上手くいくかというとそうでもなくて、どうしたらいいのか試行錯誤することも多々ありました。また自分達には常識的だったことが、今の子達にはそうではなかったりすることがしばしばあり、感覚の違いや世代のギャップを感じることもありましたね。
トレーナーを2年、マネージャーを1年経験し、2006年の4月に、今度は採用担当になりました。当時、私は妊娠8か月でした。
育児休業について教えてください。
会社に入る時に、育児支援制度があるのは知っていました。志望動機にも、「女性が長く働ける会社だと思って志望しました」というようなことを書いたような気がします。実際に働いてみると、子どもを育てるにはかなり恵まれた環境だと思います。
社内では、子どもができると皆当たり前のように産休・育児休業を取得しています。取得率はなんと100%なんですよ!育児休業は、子どもが3才になるまで取れます。そうなったのは2007年からですが、それまでは1才までとか2才までというように何度か制度が改定されてきました。2006年はなぜか営業部の中がベビーブームで、現在も育児休業を取得している人がたくさんいます。
私の子どもは2才になったばかりで、昼間は保育園に預けています。私は今、朝は「育児時間」という制度を使って1時間遅く出社して、帰りは「早退免除」という制度を使って2時間早く退社させてもらっています。制度があって、またその制度を有効に使ってきた先輩たちがたくさんいるので、私も抵抗なく使わせてもらっています。おかげで育児も仕事も両立させることができています。
ニチジョ時代のことを教えてください。
小学校からずっとミニバスケットをやっていて、中学、高校はバスケット部でした。ずっと体育が大好きで、自然とスポーツにかかわる仕事とか勉強をしたいと思うようになりました。高校の指定校推薦でニチジョに入りました。大学は自宅から通うのが親との条件だったので、片道2時間半かけて通学していました。
スカッシュサークルの創始者の1人だと聞きましたが?
最初は、高校で同じ部活だった友達とバスケのサークルを探したのですが、他大のサークルも見てみようということになって明治大学に行った時、たまたまスカッシュサークルのチラシが目について、友達がもともとやりたがっていたこともあり、連絡してみたのがきっかけです。翌年にニチジョでもサークルを立ち上げるという条件で入部させてもらいました。1年間そこでやって、2年生になった時ニチジョでも立ち上げました。
すごく楽しかった。ずっとバスケ1本だったのでラケット競技自体初めてだったのですが、やってみると結構ハードで、カラダの動かし方にバスケと似ているところがありました。ニチジョでは、部員3人から始まって、卒業する時には10人ちょっとになっていました。コートがないので練習する時は、学生連盟のコートを借りたり、他大と合同練習をしたりしていました。スポーツクラブで働いているニチジョOGの方に声を掛けていただき、営業時間前の早朝にクラブのコートを借りてやったりもしました。
今はスカッシュはやっていないんですが、週末にバスケットをやっています。高校の時に部活引退後に入った社会人サークルをずっと続けているんです。
ニチジョでの経験はどんな時に役立っていますか?
やっぱり、出会った仲間が良かったなって思いますね。自分が勉強したかったことを勉強できたとも思います。社会に出て、体育大卒っていうことで不都合を感じたことはありませんね。逆に営業先で、「えー、体育大なの?」ってそんなことで話のネタになって、お客さんとのコミュニケ-ションが深まったりします。私、体格は普通だと思うので、体育大卒ということに意外性があるのかもしれませんね。
今の採用の仕事について教えてください。
新卒学生の採用をやる部署で、面接したり会社説明会などを開催して毎日学生と接してます。学生と会っていて、いちばん見るところは、やはりコミュニケーション能力があるかどうかっていうところですね。お客様相手の仕事なので自分の考えを主張するだけでなく、お客様の本音を引き出す力というのが大切なんですね。そういった力を面接の中で見極めていきます。
私は4月に復職してきたので、採用の仕事の1年間の流れっていうのを今回始めて経験していくんですけど、自分が面接を担当した学生達が来年入社してきて、今後どういう風に活躍していくのか楽しみです。
将来の夢はなんですか?
仕事と家庭をきちんと両立して、この会社で長く働きたいと思っています。それと、子どもはもうひとり欲しいですね。にぎやかな家庭にしたいです。たぶん子育てをしている間は、時間的なこともあり、営業の最前線でやっていくのは難しいので、今はこういったサポート的な仕事のコースにいて、子育てが落ち着いたらまた営業現場に復帰していくのも視野に入れています。
仕事を始めた頃は、やれるだけやっていこうと思っていました。定年は60才ですが、定年後も働いている人もいます。私のお母さんくらいの年代の人もいて、20代前半の社員達と一緒にやっていけるパワフルさがあり、そう言う意味ではホントに若いです。私も頑張ればそこまでやれるんだと思っています。目標となる先輩達が身近にいるって素敵なことですよね。
ニチジョ生へのアドバイスは?
自分を過小評価することなく、体育大だからこそ自分に自信を持って、元気でいてほしいと思います。面接でよく「学生時代、いちばん打ち込んだことはなんですか?」って聞くのですが、アルバイトっていう答えが多かったりします。でもニチジョに入ってきたのもそれまで力を注ぎ込んできたことがあるはず。だから胸を張って『自分はこれだけは自信を持ってやってきた!』というものがあればいいと思いますね。
『今』を大切に、就活も学生生活も悔いのないように充実した時間を過ごして下さい。