資格・就職

- 公務員系
- 市役所職員
金田 恵(2021年健康スポーツ学専攻[現健康スポーツ学科]卒)
■平塚市役所(平塚市教育委員会)社会教育部
“社会を健康にするジェネラリスト” として市民を支えたい
<2023.12収録>
公民館を拠点にして市民の生涯学習をサポート
私は地元・平塚市の職員として、社会教育施設である公民館の管理・運営を担当しています。公民館は「つどう・まなぶ・むすぶ」ための拠点であり、「市民大学講座」や「市民アカデミー」といった公民館講座を企画・運営して学習機会を提供するなど、市民の生涯学習をサポートしています。また、日々の窓口業務で市民の方と直接触れ合う機会も多く、「自分だったらこうしてほしい」「何が知りたいのか」といったポイントを常に意識しながら、正確かつ簡潔に、わかりやすく説明するよう心がけています。「丁寧にありがとう」と言っていただけることもあり、行政の取り組みが自分の言葉で市民にしっかりと伝わっていく喜びが感じられます。

「健康づくりはまちづくりから」公務員への想いが芽生えた
私が公務員を目指すことになった原点は、大学2年次の「衛生学・公衆衛生学」という授業です。入学当初は教員志望だったため教職課程も履修していましたが、この授業では"健康づくりはまちづくりから"という考え方や、自治体と地域住民のつながりの大切さを学びました。そこから多角的なアプローチで社会を健康にしていく"ジェネラリスト"として自治体で働くことが卒業後の目標になりました。3年次には市役所のインターンシップにも参加し、授業の空きコマがあれば図書館で試験対策。通学の時間もフル活用して勉強しました。3年次の冬からはコロナ禍になりましたが、自宅で自問自答しながら面接対策を進め、どんな質問がきても自分の言葉で回答できるように"百問百答"を作成しました。
ゼミは助友先生の研究室に所属し、健康の大切さをSNSなどで発信するヘルスプロモーション活動を中心に学びました。「組織の潤滑油となる存在が必要不可欠」という先生の言葉が印象深く、自分も公務員となって地域社会の健康増進のための潤滑油になりたいと考えました。実際、公民館は高齢者の利用が多く、健康増進についてニチジョで学んだことが非常に役立っています。
一方で、公務員志望になってからも教職課程の履修は続け、教育実習を経て教員免許も取得しました。自治体が進める社会教育と学校教育はフィールドが異なりますが、授業づくりのために教材研究を重ね、目標達成のために効率的で効果的な授業の進め方を考え抜いた教職課程での学びは、現在の業務にも生かされています。
在学中はバドミントン部で活動していました。競技に打ち込むだけでなく、学年間の壁を感じたときは対話を重ねるなど、チーム力の向上に取り組んだ成果も現在につながっています。現在は職場の部活動でもバドミントンを続けており、試合に出る機会もありました。生涯スポーツのひとつとして今後も続けていくつもりです。

ニチジョでの学びの成果は、幅広いフィールドで発揮できる
体育大学の卒業生は、保健体育科の教員になったり、スポーツ関係の仕事に就いたりする人が多い印象を抱かれがちですが、誰もがその道に必ず進むわけではありません。ニチジョで身につけた知識や技術や心構えは、公務員でも会社員でも生かせるはず。私自身、公務員試験は地元である平塚市しか受けておらず、企業で会社員になる選択肢もありました。業界や職種を問わず、"やってみたい"という意志と自分を信じる気持ちが大切なのだと思います。
この先、市役所では数年おきに異動がありますが、どの部署でも常に「誰のために、なぜ行うのか」を意識するとともに、ニチジョの卒業生として健康増進への関心を持ち続け、"社会を健康にするジェネラリスト"として住みやすいまちづくりに貢献していきたいと思っています。
