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フィットネス業界に新しい風を吹き込む 「関わる全ての人を輝かせる」

芝本宏子さん

株式会社FEEL CONNECTION 人事部 採用グループチーフ


今回お招きしたのは、フィットネスを事業の柱とする株式会社FEEL CONNECTIONで、人事採用業務のチーフとしてスタッフを引っ張る芝本宏子さんです。芝本さんは2008年に本大学の舞踊学専攻を卒業。アパレル業界や美容クリニック業界を経て、現在のFEEL CONNECTION社に中途入社されました。以降、暗闇フィットネス「FEELCYCLE」の認知度向上と事業拡大のため、スタッフ採用に邁進し、今の同社の礎を築いてきました。芝本さんのお仕事に対する考え方を、ご自身の体験談をもとにお話しいただきます。
<2021.12収録>

4つの事業を展開するFEEL CONNECTION

ただいまご紹介をいただいた芝本です。
今日は大きく2つのことについて話をしたいと思います。一つは、私が勤めているFEEL CONNECTIONが提案する新しいフィットネスについて。もう一つは、私は現在、人事部・採用グループにいますが、仕事の内容がどういうものなのかについて、私の経歴を踏まえてお話しします。これらの話を通じて、社会に出る心構えをお伝えできればと思っています。
まず始めにFEEL CONNECTIONの理念を紹介します。それは「LET YOUR LIFE BE MORE BRILLIANT」「関わる全ての人を輝かせる」ということです。大切なことは、「関わる全ての人」とは誰を指すのかということです。これには大きく分けて、2つあります。1つ目は、フィットネス事業は接客業でもあるので、「お客様」であることは理解してもらえると思います。もう一つは、私たちメンバー、つまり社員にも輝いてもらうことです。お客様と社員、それぞれを輝かせたい。ということを考え、会社はスタートしました。

FEEL CONNECTIONは4つの事業を運営しています。
核となるのが、フィットネス事業である「FEELCYCLE」です。FEELCYCLEの詳しい説明は後ほどさせていただきます。
2つめがオンラインフィットネス事業の「FEEL ANYWHERE」。3つめがアパレル事業の「DIFFERENTLY」。アパレル事業では、オリジナルで作っているウェアとインポートブランドがあります。4つめがフード事業の「FEEL&FOODS」です。港区の青山一丁目で、ヘルシーで体にいい食材を提供する店舗を運営しています。

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最初のレッスンは6人、7年後には1万2000人のイベントに

メイン事業のFEELCYCLEは、バイクエクササイズを取り入れた暗闇フィットネスを展開しています。いまでは、フィットネスの1つの形として暗闇フィットネスが知られるようになっていますが、これを日本で最初に始めたのが弊社です。
スタートは、2012年6月。当時のフィットネスと言えば総合フィットネスがメインで、「暗闇って何?バイクエクササイズって何?」と言われていました。
フィットネスジムは、おしゃれな雰囲気からかけ離れていて、女性が通いにくいといわれていた時代です。私たちは、カフェやアパレルの店舗のようなおしゃれなつくりにして、女性のお客様でも来店しやすい空間をつくりたいという発想から店舗づくりを始めました。そのときにブランドコンセプトとして掲げたのが、「It's Style. Not Fitness.」でした。「フィットネスではなく、これがスタイル」と訴えたのです。

スタートした銀座店の最初のレッスンに来られたお客様は6人でした。とはいえ、1人も来ないかもしれないと覚悟していた中で6人来ていただいたので、それは本当にありがたく、しかも、その6人のお客様は、9年経ったいまも会員様として通っていただいているので、本当に大切なお客様たちです。
しかし、会員が6人では経営が成り立ちません。そこでまず、スタッフ全員が銀座の街中に出てチラシ配りをしたり、メディアにも出演させていただき認知度を高めていきました。徐々に会員数が増え、9年経ったいま、私たちは全国40店舗以上を展開しています。現在は、さらに店舗を増やしていくことを目指して、パワーアップを図っているところです。
提供するレッスンは、1レッスン45分。1レッスン当り、約800kcalを消費します。
欧米では、このバイクエクセサイズで美脚をつくることが広く知られています。私たちのFEELCYCLEでは、美脚がつくれるだけでなく、全身燃焼も期待できます。
このバイクエクササイズを、暗闇の中でライティングを楽しみながら行います。常に音楽を流しながら、曲に合わせて体を動かします。むしろ運動をするより、音楽を楽しみながら体を鍛えるといったイメージが近いかもしれません。

これまでのフィットネスのイメージを取り払い、新しいスタイルの提案を続けてきた9年間でした。さらにこのスタイルを定着させるために、2016年からまた新たなチャレンジに取り組みました。それが、年に1回おこなわれるビッグライブイベント「LUSTER」です。
スタジオを飛び出してフィットネスをイベントにするという発想も、日本では初めてかと思います。
2016年は豊洲ピットにバイクを300台入れて開催し、2018年まで続けました。2019年はさらにパワーアップして、幕張メッセで1,000台のバイクを入れて、1日4公演、3日間開催しました。
このイベントを実施するにあたっては、300人以上のスタッフ全員が会場設営から片付けまで行いました。2019年のイベントは、延べで1万2000人のお客様が参加。盛況に終わり、スタッフ全員が「たった6人のお客様からスタートした事業が、9年間で1万2000人を集めるまでになった」という達成感を味わった瞬間となりました。
私たちはこのような形で、会社の立ち上げ、次にイベント開催とチャレンジしてきました。

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社員が輝くために、一人ひとりが挑戦できる環境を整える

次に紹介したいのが、海外アーティストとのコラボレーションです。たとえば、アリアナ・グランデ、ケイティ・ベリー、ジャスティン・ビーバーなどをプロデュースするゼッドともオフィシャルコラボレーションをしたりしています。
フィットネスなのに、なぜ、アーティストとコラボするのかと思われるかもしれません。私たちは、音楽と体を一つにすることも、目指しています。「辛いな」と思ったり、「もう無理」と思ったとき、音楽があることで頑張れる、音楽を聞くことで集中できるのです。皆さんもパフォーマンスをするときや大会に臨むときに、同じような経験をしていませんか。私たちのレッスンでも、音楽に合わせて体を動かし、集中してもらい、ストレス発散、気分転換をしてもらっています。
もう1つ新しく、2021年にチャレンジしたのが、先ほど紹介した、オンラインフィットネス「FEEL ANYWHERE」です。「新型コロナウイルス感染症の影響で始めたのでは」と思われる方もいると思いますが、実はそれよりも前から私たちは企画を進めていました。先ほど申し上げた目標の一つに、全都道府県に店舗を出店したいということがあります。しかしリアル店舗の出店には時間がかかる。全国のお客様のご要望に応えるために、オンラインフィットネスがあれば、より多くの人がFEELCYCLEを知って、輝いてくれるのではないか、というところからオンラインフィットネスをスタートしました。

先ほどお話しましたとおり、私たちは、お客様と社員の両方に輝いてもらうことをミッションにしています。私たちは、社員が輝くためには、社員が夢を持った時にその夢を実現できる状態を提供することが必要だと考えています。会社も挑戦しているし、社員も挑戦できる会社ということです。
社員が挑戦するための仕組みとして、私たちの会社には、立候補制度があります。インストラクターで入社しても、入社歴や年齢に関係なく、様々なポジションを目指すことができます。なかなか店長になれない、ポジションが詰まっていて自分がキャリアアップできない、だから転職するといったケースを聞きますが、当社では、そうしたことは基本的にありません。私たちの会社の制度の中に立候補制度があるので、会社から命令されるのではなく、自ら「やりたい」と思ったら手を挙げてもらいます。その代わり、手を挙げるので、そこには責任を持ってもらうのです。自分の目標や夢に向かって動くことは、ワクワクするし、仕事へのモチベーションが高くなります。
インストラクターが本部でマネジメントや、人事、広報を担うこともできます。別事業に異動することもできるし、新規事業の立ち上げにも携われます。幅広くチャレンジする環境があることもFEEL CONNECTIONの特徴で、それによって社員みんなが輝いているのではないかと考えています。

現在、日本女子体育大学の卒業生が数多く、FEEL CONNECTIONで活躍しています。その中から3人を紹介しましょう。
一人目インストラクターMiho。彼女はインストラクターとして新卒で入社し、店長まで務め上げ、店長から次のステップアップとして、人事に異動しました。一緒に採用活動などをしていたのですが、結婚されて、いまはお子さんが1人いらっしゃいます。現在はインストラクターとして復帰しています。
二人目Mai。インストラクターとして入社し、旗艦店の一つである六本木店の店長を任されました。その後、300人のインストラクターのレベルアップのためのトレーナーになりました。今は新規事業の「FEEL ANYWHERE」のレッスンの映像を作成しています。
三人目Karin。新卒で入社し、店長を務めた後、Maiと同様にトレーナーになりました。彼女は現在、トップインストラクターとして活躍しています。取材が入ると彼女が対応することが多いと思います。そのほかにも、様々な部署で日本女子体育大学の卒業生が活躍し、皆さん、立候補制度を活用してキャリアアップをはかっています。

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悩みながら進んだ卒業後の仕事

実は私も、「お客様だけではなく、働くメンバーにも輝いてもらいたい」という考え方に惹かれて、この会社に入社した1人です。簡単に私の経歴についてお話しします。
私は2008年に日本女子体育大学を卒業しました。学生時代は舞踊学専攻(現・ダンス学科)で、とにかく毎日踊っていました。大学2年生のときには、プロ野球の千葉ロッテマリーンズのチアリーダーをしていました。当時の私の夢は、ダンサーになることでした。そのためにオーディションもたくさん受けました。
ダンサーになるために頑張ってはいたのですが、就職を目の前にしたときに、私は今後ダンサーとして生活していけるのだろうか、と不安がよぎりました。プロのダンサーとして限界を感じていたのも事実です。そこで「大学4年の卒業公演で1つ区切りにしよう」と、そこから方向転換をしました。

大学卒業後はまずアパレル業界に就職することになりました。ダンスしかしてこなかったので不安はありましたが、アパレルブランドも好きでしたので、目の前のできることにチャレンジしようと頑張りました。
がむしゃらに毎日働き、販売の成績を残して、同期の中で最初に副店長、そして店長へと昇進しています。ここまで来たから、いずれは管理部署に行けると思っていたのですが、その会社は年功序列でしたので、それ以上のキャリアアップは望めませんでした。さらに、頑張りすぎたことで体調を崩し転職を決意しました。
この初めての転職の時も迷いました。何を求めて、どこへ行ったらいいのか。アパレルに行っても、同じことの繰返しだと。では、何をやりたいのか。そのときに、私は美容にも興味があったので、美容クリニックで働くことを考えました。結局、自宅から近く、福利厚生にも手厚い美容クリニックに転職することになります。キャリアアップや、やりがいとは別次元での転職でした。
美容クリニックに勤めながら、時間的に余裕ができたのでヨガのインストラクターの資格試験を受けました。クリニックでの仕事に充足感を得られていなかったこともあって、資格を取ったとき、やはりやりがいを持って働きたい。と考えたと同時に、自分はこうやって体を動かすことが自分に合っているかもしれない。と思い転職を決めました。
そのとき、ヨガのインストラクターとしてフリーランスの道に進むのか、またはヨガを事業にする会社に入るのかを悩み、ネットで情報を集めていたときに、FEEL CONNECTIONを知ったのです。

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挑戦して壁を乗り超えた先にある「輝く自分」

FEEL CONNECTIONを見つけたとき、ここに私が求めているものがあると思いました。「関わる全ての人を輝かせる」という考え方がすごく素敵な会社だと、「私は行くべきだ」と思ったのです。
応募の際に、アパレル業で働いていた経験を生かせると思い、スーパーバイザーを希望しましたが、結果的には、人事採用担当として採用されました。希望通りではありませんでしたが、会社の企業理念に魅力を感じていたので、入社を即答したのを覚えています。しかし、それまで管理部門の経験はなかったので、不安はありました。実際、入社してからは何度も壁に当たってきました。
たとえば、採用計画を立てる際、前年度の新卒採用実績と同様の計画を立てればいいと思い、前年をベースに計画を立てると、上司から「FEELCYCLEはこれからどんどん大きくなっていくんだよ。こんな人数でいいの?」と言われ、130人もの採用計画を提示されました。いま考えれば、そのぐらいの気持ちで採用しなさいということだったと思います。当時の私には、そのことが全くわからなかったので、130人という言葉を鵜呑みにして、もう一度採用計画を立て直しました。
でも、どうしたら130人を採用できるのか、その方策がわかりません。しかしありがたいことに、いろいろなアドバイスや助言をしてくれる先輩社員がたくさんいました。社長も、「何を悩んでいるのか」と聞いてくれ、ヒントをくれるのです。私は、社長や先輩社員のおかげ、そして本気で130人の採用を実現したい!!という強い思いから、本気で「採用」という仕事に取り組みました。結果的には130人の採用はできませんでしたが、「本気で仕事をする楽しさ」を学びました。

採用活動のために求人媒体へ載せる言葉や写真を選んだり、会社説明会の運営、面接の担当から内定出し、条件面談、採用HPや動画の制作と、いろいろと経験しました。このような色んなことを、私は31歳でチャレンジしました。そのときに感じたのは、自分にはできないと決めつけたり、これまでの経験から思い込んでしまったりすると、先には進めないということです。チャレンジすることは、年齢を重ねるほど恐くなり、躊躇してしまいがちです。でもそのとき、チャレンジすることが楽しい、チャレンジしたら成長できる、次のステップアップになると思えること、そして、自分にはこれしかできないと決めつけないことがとても重要なのだということを知りました。

いまは本当に楽しく仕事をしています。この仕事があるから、充実した日々を送れていますし、プライベートも楽しめています。私が壁を乗り越えられたのは、困っているときに助けてくれる仲間がいて、メンバーが大好きだから、そして、会社が色々なチャレンジを考えていることが大好きだからです。
皆さんも、自分はこれしかできないとか、この企業に行くしかないだろうと決めつけないでもらいたいのです。「教師になりたい」「インストラクターになりたい」といった夢を絶対にかなえてほしい。しかし、仮に就職活動でうまくいかなくても、落ち込むのではなく、ほかに自分にやれること、向いていることがあるのではないかと、もう一度自己分析してください。そうしたら、絶対にできること、やれることが出てくる。最初から、できないからチャレンジしてはいけないのだということはありません。できなくても、やりたかったらチャレンジしてください。

皆さんは若いので、やれることはいろいろあるでしょう。例えば、インストラクターから始まっても、そこからのキャリアの幅は広いはずです。インストラクターになったら30歳までしか働けないとか、30歳過ぎたらインストラクターにはなれないとか、先のことを考えるのではなく、とにかく、今、できること、今を楽しんでもらい、そこで自分のできることを増やしていく。そうすれば、次のステップアップは絶対にできます。
私が大切にしていることは、「関わる全ての人を輝かせること」です。だからこそ、自分自身も輝いていたいし、私に関わる全ての人を輝かせたいのです。

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<質疑応答>
【学生A】 スーパーバイザー、エリアマネージャーの仕事内容はどんなことでしょうか。
【芝本さん】 スーパーバイザーは、わかりやすく言えば5~6店舗を統括し、その店舗の売上や会員数を伸ばす施策を考え店長をまとめていく、店長を引っ張っていく人です。
【学生B】 採用の際に、芝本さんは「人事に来ないか」と言われたということですが、面接のとき、私たちのほうから、自分が希望する部署を言う機会はあるのでしょうか。それとも、会社から提示された部署に配属されるのでしょうか。
【芝本さん】 FEEL CONNECTIONは、基本的に新卒の方だと、インストラクターからスタートします。しかし立候補制度があるので、短い方だと2、3年くらいで店長までステップアップをして、人事に行きたいと希望すれば、人事に行くことも可能です。面接のときは、どうしても「人事として入社させてください」と言われても、難しいと思います。だけど何年後かに、それをかなえることは可能です。

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【学生C】 FEELCYCLEの映像を観ていたときに、バイクを漕いでいる人の隣で、ダンサーさんが踊っていたと思います。そういう人たちはどのようなポジションで入社していますか。
【芝本さん】 あの方達はインストラクターです。FEELCYCLEには実際、300人いるインストラクターの中で入社時にダンスと英語ができる人は、1割程度です。入社後3ヶ月間の研修では、英語と、リズムの取り方を学びます。ただ会社としては、インストラクター各々の得意なものを活かしたいということがあったので、イベントなどではそれを活かしてもらっています。例えば歌がうまい方もいるので、そういう方は、イベントで歌ってもらいます。

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